サンゴが白くなることを「白化(はっか)」と言います。白化したサンゴは、実はそのまま放置していると死んでしまう可能性が高い、危険な状況(じょうきょう)なのです。
サンゴは、その体の中に「褐虫藻(かっちゅうそう)」という生き物をすまわせています。この褐虫藻は、すみかを得るかわりに光合成によって作り出した酸素をサンゴにわたしています。サンゴはこの酸素を受け取ることで健康に生きていくことができるのです。このように、おたがいに助けあう生き物たちの関係を「共生(きょうせい)」といいます。
しかし、地球温暖化によって海の水温が上がっていくと、そのストレスでサンゴから褐虫藻がいなくなり、サンゴ本来の石灰質の体の色(白)にみえるようになってしまいます。これがサンゴが白化してしまう原因なのです…!
サンゴをとりまく環境(かんきょう)にはほかにも、生態系の変化によって発生したオニヒトデや「シロレイシダマシ(貝の一種)」などの天敵に食べられてしまうといった危険がせまっています。サンゴはたくさんの海の生き物に安全なすみかを提供する大切な存在なので、このサンゴたちが健康に暮らせる海を守ることが、海全体の生態系を守ることにつながるのです。 出典:国立環境研究所ウェブサイト