貝社員とアッサリ挑戦!海の謎解き大作戦
異変⑦
捕(と)らえられたウミガメ!一体誰がこんなことを⁉

ネットに捕らえられて身動きが取れなくなってしまったウミガメ。しかしウミガメを漁獲(ぎょかく)しようとした形跡(けいせき)はない…一体誰がこんなことをしたのだろうか?


情報1:近くに漁港や人の影(かげ)はなし

網(あみ)にからまってしまったウミガメだが、近くに網を使うような漁港や人の姿は見当たらない。
どこからともなく現れたこの網の持ち主はだれなのだろうか…?

手がかり2:同じような報告は世界中で多数

この被害(ひがい)、実はこのウミガメだけの問題ではない。世界中で同様の事件が起きているようだ。
中にはアシカやアザラシ、クジラなども被害を受けているよう。

手がかり3:この網は持ち主不明?

漁業に使用する漁具は、漁師さんたちにとって大事な道具だ。決して安いものでもない分、なくなったら困ってしまうものではあるのだが…。
この網の持ち主はみつかっていないらしい。

謎を解き明かしたものだけが
知ることのできる真相…。
この異変はこうして起こっていたのだ!

真相: 持ち主不在の「ゴーストネット」

ウミガメを捕(つか)まえていた漁具の網。これは誰かがウミガメを捕まえようと思って設置したものではありませんでした。これは持ち主不在で海をただよう「ゴーストネット」と呼ばれるものです。
ゴーストネットとは、漁業者などが使う網が何らかの理由で海に流出してしまったもののことで、
波や風の影響(えいきょう)で船から落ちてしまったものや、外国の密猟者(みつりょうしゃ)が故意に捨てたもの、また岩礁(がんしょう)に引っかかってしまったものなどがあります。
その原因は多様ですが、実は年間60万トンをこえる網が海に流れ出てしまっていると言われており、その網にからまってしまった生き物の報告は、わかっているものだけでも3万件をこえています。

1960年代以降、漁業でも丈夫(じょうぶ)な「プラスチック製」の網が使われるようになってからこの問題は加速しました。それまでの網と異なり、プラスチックでできた網は自然界でなかなか分解されないからです。こうした網は、半永久的に海をただよう中で知らずに入りこんだ生き物にからまり、かれらが動けないまま餓死(がし)するまで放さないのです。

中にはまだ小さいときに網にかかってしまったせいで甲羅(こうら)の形が変形してしまったようなウミガメもみつかっています。
しかしながらこうした問題を解決するため、からまってしまった生き物たちが自力で脱出(だっしゅつ)できるような最新鋭(さいしんえい)の漁具なども開発されており、漁業者の人々もこの問題に真剣(しんけん)に取り組んでいるといえるでしょう。
私たちも、海の世界の現実を正しく理解して、自分たちにはどんなことができそうかを考えることが大事なことなのです。
出典:「Ocean Positive」ホームページ
NGO「オセアナ」ホームページ

まだこの謎の真相にはたどり着いていないようだ…。

謎を解き明かして真相を解明しよう!

前の記事 次の記事